なぜ米国アメリカはTPP参加を嫌がるのか

なぜ米国アメリカはTPP参加を嫌がるのか

なぜ米国アメリカはTPP参加を嫌がるのか

様々な驚くべき公約を抱えて就任したトランプ大統領。そんなトランプ大統領の公約の一つに「TPPからの離脱」がありました。そして大統領就任後の1月23日、TPPから離脱をするための大統領令に署名を行いました。これによってTPP協定は実際的に発行の目途が立たなくなり、日本をはじめとする各国の通商戦略に大きな影響を及ぼすこととなりました。

 

選挙中からもTPP協定に対して嫌悪感を示し続けていたトランプ大統領ですが、そもそもなぜそこまでTPP協定を毛嫌いしていたのでしょうか?

 

■TPPって何?
そもそもTPPとはなんなのでしょうか?誰もがニュースで一度は耳にしたことはあっても、その意味や影響について十分な説明ができる人は実はそれほど多くはないのではないでしょうか。
TPPは正式名称である「環太平洋戦略的経済連携協定」の英語表記の略で、簡単に言えば協定を結んだ国の間では関税をかけることなく物やサービスを自由にやり取りできるようになります。食品や自動車、あるいは工業品などにかかる関税が撤廃されるのはもちろんのこと、就労ビザも不要になるため誰でも自分の働きたい国で働くことができるようになります。

 

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もともとはシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリの4か国間で発効した「P4(パシフィック4)」という小さな協定でしたが、2009年にアメリカが参加表明をしたことを皮切りにオーストラリア、ペルー、ベトナム、2010年にはマレーシアも加わり参加国は計9か国に拡大しました。名称もTPPに改められ、世界各国から注目を集めるようになったのです。日本でもTPP協定への参加については長い間議論が交わされていました。輸出入が活性化するというメリットがある反面、国内の農作物の売り上げに大きなダメージを与える懸念があるためです。しかし、自民党の「国内のサービス業、製造業、また農林水産業の活性化につなげることができる」という主張に公明党、日本維新の会なども賛同し、2013年7月より正式に参加することとなりました。

 

しかし、アメリカが離脱を表明したことで実質的にTPP協定の発効は絶望的となりました。TPPの発効には加盟12か国のGDP(国内総生産)の85%となる6か国以上が国内手続きを終わらせる必要があるのですが、アメリカは全体のGDPのおよそ60%を占めており、アメリカが離脱をすることでGDP85%以上達成がほぼ不可能となるためです。

 

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■TPPのメリットとデメリット
TPPのメリットは、関税がかからなくなることでTPP参加国の食品や製品を安く仕入れることができるようになることです。たとえば、オーストラリア産の牛肉やチリ製のワイン、またニュージーランド産のチーズなどは今の価格の半値程度で購入できるようになります。食品だけでなく、穀物や野菜、自動車部品などの工業製品も同様に安く仕入れることができるのです。消費者や、海外製品を多く取り扱っていた企業にとっては大きなメリットとなります。

 

しかし、消費者が安い海外製品ばかりを購入するようになることで困る人々もいます。それが日本の畜産農家の人々です。輸入食材が安くなれば割高の国産食材は売れなくなってしまう可能性が高くなってしまうのです。

 

■トランプ大統領がTPP参加を嫌がる理由とは?
上で紹介したのは日本にとってのTPPのメリットとデメリットです。工業製品や電子部品の輸出は活発な反面食糧の自給率が低く、その大部分を輸出に頼っている日本とアメリカとでは、TPPが与える影響も異なります。

 

アメリカにとってのTPPのデメリットは、移民がビザを必要とせずに就労できるようになる点です。アメリカはもともと移民の多い国ですが、TPPに参加することでより移民が増え、もともとアメリカで暮らしていた国民の雇用が移民に奪われることになりかねません。

 

もちろんTPPはアメリカにとってもメリットとなり得る協定です。自国の農産物や酪農品などの食料品の輸出量を増やすことができ、これを国内経済の活性化や雇用機会の増加につなげることもできるのです。しかし白人至上主義者であり移民規制を推し進めるトランプにとって、TPPはメリットよりもデメリットの方がはるかに多い協定なのです。また雇用の問題だけでなく、日本の車がアメリカで購入されやすくなり、アメリカの自動車産業の大ダメージを与える可能性が高いこともトランプ大統領の懸念点の一つなのでしょう。かねてより、トヨタ車がアメリカ国内で売り上げを伸ばしていることを快く思っていないトランプ大統領です。これ以上日本車がアメリカ国内で幅を利かせることに我慢がならないのでしょう。

 

トランプ大統領は「TPPから永久に離脱する」という旨の大統領令に署名し、再交渉の可能性も打ち消しました。これにより、任期中のTPP協定の発効は実質的にほぼ不可能になってしまったのです。

 

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